藍那さんと熱く語ろう!


その5
9.14エリノアさん追悼特別対談
〜ボウリング・フォー・ガザッソニカ〜

9月14日、某所にて
藍那つるつる、するする、ごっくん。
墨公委9月も半ばというのに素麺かね。
藍那ぐふぐふ、けふっ、食事中ですよ、もう。いいじゃないですか、暑いんだから。
墨公委しかし今日は火曜日、パスタの日。
藍那なんで火曜日はパスタの日なんですか?
墨公委左様、それは、月曜深夜、すなわち火曜日午前1時半から、『MADLAX』が放映されているからである。
藍那あー、あー、ヤンマーニ(※1)ですか。つるつる。メイドさんがお嬢様のためにパスタを作ったり、お姉さんが人殺してから「今日はパスタにしよう」という、あのアニメですね。ずずず。
墨公委・・・あんた、そんな言葉がすらっと出てくるって、もしかして2ちゃんばっか見てんのか?
藍那しょうがないでしょう、仕事ないんだから。特別講義をコミケ明けにはやるっていいながら、もうコミケ後一月経ってるんですよ。
墨公委渡辺氏もメイドさん売り子という大きな野望を達成して、その後の展開模索中みたいだから、まあ生温かい目で見守って・・・いかん、引っ張られて会話が2ちゃん語に汚染されてきてるな。
藍那まあ、お昼も食べ終わって暇ですから、何かお話でもしますか? プロデューサーも特別講義に臨時講師呼ぶみたいな話をしてたし。
墨公委それはありがたい。
藍那墨公委さんとの対談ですと、私は「へぇ〜」とだけ言ってれば、墨公委さんが勝手に一人で喋っててくれるので楽なんです。これが渡辺プロデューサー相手だと、プラカードでツッコミとか入れないといけないので、結構面倒で。
墨公委へいへい。では一方的に喋らせてもらいますとして、とにかく死んじゃったんですよ。
藍那宅間守がですか?
墨公委・・・執行がえらく早かったですね。「あいつならやってもOK」って発想がみえみえな気もしますが。それともプーチンへのサインとか。北方領土の視察にも行ってたし。
藍那・・・スレ違い、あわわ、不適切な話題でした。
墨公委あえてスルーして行きましょう。
藍那では話を戻しまして。
墨公委さる9月14日放映の『MADLAX』第24回で、メイドのエリノア・ベイカーさんがお亡くなりになってしまわれましたわけなのです。このアニメ随一の魅力的なキャラクターで、主人公のはずの電波少女・マーガレットを食う存在だっただけに、残念でなりません。
藍那とかく挿入歌のヤンマーニ、もとい、梶浦由記さん作詞作曲でガンスリのヘンリエッタの中の人が歌う「nowhere」の流れる戦闘シーンばかり話題になっていますが、メイド的にも人気だったんですか?
墨公委うーん、メイドスキーの間でどれだけ話題になっているか実は良くわかんないんですけどね。マーガレットお嬢様との百合的(?)日々の数々とか、格闘シーンとか、先週はブローニングのM2重機関銃ぶっぱなすなど、その手の見せ場も結構あったことはありましたが。あ、あとヤンマーニの作者梶浦さんは、カズオ・イシグロ『日の名残り』を読んで、それなりにお気に入りだったようですね(※2)。そこでのメイド像イメージが、サントラのエリノアの曲に影響を与えて・・・はないだろうけど。
藍那しかし、マドラックスおねえさんの戦闘シーンが、BGMはヤンマーニだし、やってることは無茶苦茶だし、確か渡辺プロデューサーも「マドラックスが妙に萌えなのだが、やってることが無茶苦茶だったりであれに萌えてしまっていいものかと無意味に悩んでみたり」とか書いてたくらいで(※3)、軍事マニアのはずの墨公委さん的にはどうなんですか?
墨公委それは、しかし、こういう美少女戦闘ものの場合は、いわゆるリアリティとか、そういうのは問わない、否、虚構であるからこそ意味があるのだという見方もあるわけでして。いや、小生はアニオタではないので、詳しいことは言う自信がないんですけど、斎藤環氏がそんなこと書いてたような(※4)。それと比べるとメイドさんというのは、戦闘美少女より虚構性の純粋度が低いような気もしますね。メイド喫茶という形で虚構性を揺すぶってるのかな?
藍那メイド喫茶のお話もいいんですけど、あの、ヤンマーニ話題にしてる時点で「アニオタでない」という台詞に説得力ありません。
墨公委何を。週18本見てるという渡辺プロデューサーと比べ、こっちは一本だけだぞ。
藍那深夜アニメですから、五十歩百歩ですけど。
墨公委・・・そこんとこは後日明らかにするとして。実は『MADLAX』のあの回について、メイドのエリノアさんの死には、テレビ東京当局の関与の疑いが浮上しているのですよ。
藍那テレビ東京当局? なんでそんなのが出てくるんですか?
墨公委『MADLAX』のCMはアニメとかの関係のばっかりですが、最後のクレジットが消えて最初に映るCM、つまりアニメ関連じゃない最初のCMになるわけだけど、いつもテレビ東京の番組宣伝なんですね。で、普段は「裏ジャニ!」という、はっきり言って視聴者重なって無さそうな番組なんだけど、14日は違った。
藍那なんですか、もう。もったいぶって。
墨公委木曜洋画劇場『ボウリング・フォー・コロンバイン』。そう、『MADLAX』の舞台であるガザッソニカにおける悲惨な内戦、巻き込まれ銃撃されたエリノアさんの死、そして大ヤンマーニのオサレ戦闘を通じて、銃というものの持つ恐ろしさ、それを訴えるのがあの回の真の目的だったのです。白いエプロンを朱に染めて(参考画像)斃れたエリノアさんに涙した視聴者は、銃の恐ろしさに気づき、こぞってムーアの映画を見るでしょう。かくてテレビ東京は視聴率を稼ぎ、『ボウリング・フォー・コロンバイン』の買い付けにかかった費用も回収できる、って算段ですね。こんな理由でメイドさんを殺さないでもらいたいと、テレビ東京には謝罪と補償を・・・
藍那言うに事欠いて陰謀論ですか・・・。キャラ萌え妄想よりよっぽど電波度高いじゃないですか。
墨公委実はこの日、9月14日ってのは、アメリカの銃規制が解かれる日らしいんですね。1994年にクリントン政権が制定した銃規制、つってもそれが規制するのはフルオートの軍用ライフルの類で、一般人が買って何に使うんだよと小一時間問い詰めたいような奴だったんだけど、まあとにかく規制があった。しかしこれが10年の時限立法で、ブッシュが全米ライフル協会の支持を失ってまで更新するはずもなく、日本時間では14日の夕刻を以って解除されてしまうのだと。
藍那ふうん、まあ所詮は偶然ですけれど、絶妙なタイミングですね。それにしたって、コロンバイン高校の事件も、ムーアの映画も、銃規制更新させられなかったって、結局は銃の持つ魔力には勝てなかったのでしょうか。
墨公委持つとヤンマーニ歌いたくなったりして。
藍那最近だと、そういうアメリカ人オタクが居そうな悪寒・・・
墨公委もっとも、この手のCMバッティングで傑作だったのは、『光と水のダフネ』最終回ですな。地球温暖化で海面上昇した世界を舞台にしたアニメであるところの『ダフネ』が終わって、エンディングが流れて、で来たCMが公共広告機構の「ストップ、温暖化」。公共広告機構、お前らネタやっとんのか? アニメの内容チェックしてたんか? もしかしてヒマなのかあんたら?
藍那あの、話がもはやメイドさんと関係ないんですけど・・・やっぱり実はアニオタなんじゃないですか? おまけにCMまでチェックって、よっぽど重症かと。
墨公委えー、えええ、とにかく、9.11を忘れても、9.14をこれからも語り継いで行きたいと、そういうことで一つ宜しく。
藍那誤魔化さない!

余談:ちなみに9月14日は、渡辺プロデューサーが最近萌えている声優・松来未祐さんの誕生日です。

※1『MADLAX』戦闘シーンの挿入歌「nowhere」のこと。ひいては、『MADLAX』そのもののこと。「nowhere」のコーラス部分が「ヤンマーニ」と歌っているように聞こえるため、こう呼ばれる。ここのフラッシュなどご参考に。
※2梶浦由記サイトの「bookshelf」参照。
※3当サイトの母体である「渡辺順一のMaIERiA」の「渡辺のハイパー気まぐれテキスト」4/21参照。
※4斎藤環『戦闘美少女の精神分析』太田出版 2000


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