メイドさんがスペースにやってきた
Three Maids are Coming to the space

 それは、一つの書き込みからはじまりました。

お暑ぅございます。 投稿者:ミド 投稿日:07/08(木) 10:45  [HOME] [返信] 
(前略)

最近、なんか楽しい事がないっちゅうか、日々は楽しいのですが、
メイド屋的に動きがないので、MalDERiAさんの方で人出が必要な時は、
是非お声お掛け下さいまし〜☆
“プロデューサー:渡辺さん”の企画に、がっつんがっつ便乗しますよ(笑)

(後略)

 そんなことを書かれてしまっては、社交辞令などというものを弁えない私としては当然こう返信してしまうわけで。


Re: お暑ぅございます。 渡辺順一 - 07/09(金) 00:17  

(前略)

嬉しい申し出ありがとうございます。
あつかましくお話に乗らせていただきますと、
丁度来月コミケに出店しますので、もしメイド屋さんの皆さんの中に
ご興味とお時間がおありの方がいらっしゃいましたら、
MaIDERiAのスペースで売り子などしていただけたらなあなどと思いますです。
いつも店番が墨東公安委員会一人に任せきりになりがちですので、
手伝ってくださる方がいると彼も楽になるでしょうし、大変ありがたいところです。
(私はコスプレ広場に行っている事が多いもので(笑))
それに、メイドさんに売り子してもらうというのはMaIDERiAの
大きな夢の一つだったりしますし(笑)。

(後略)

 かなり本気入ってましたが、まあ普通スルーされるかな位に考えていました。ところが、


喜んで〜♪ ミド - 07/09(金) 00:25  

喜んでお手をお貸し致しますよ〜☆

詳細をメールして頂けると、大変助かりますです〜。
なにせ、コミケビギナーなので(^-^;;

 そういうわけでこの後数度のメールのやり取りと1度の打ち合わせを経て、コミックマーケット66 3日目東レ41b『MaIDERiA出版局』にて、メイド屋所属のメイドさん3名が売り子をしてくれることになったのでした。

 2004年8月15日、いよいよ当日を迎えました。天気は前日までの日差しの強さが嘘のような、肌寒さすら感じる雨空。こちらの気持ちとしては晴れ舞台だったというのに、出鼻からついていません。そしてさらにアクシデント発生。メイドさんの一人が電車を乗り過ごしたとのことで30分程遅れてしまうとの連絡が入ります。平時ならドジっ娘属性を発揮してくれて萌え〜と言いたい所ですが、この時は緊急時。入場できなくなっては大変なので、集まったメンバーだけで出発。ところがこちらもちとゴタゴタしてたり電車の時間が合わなかったりしたため、国際展示場駅で数分待てば合流できそうな状態になってしまい、結局そのようにして全員揃って会場入りすることに。

 メイドさん達が着替えに行っている間はいつも通り私と墨東公安委員会で店番。殆どいませんでしたがこの間に来たお客さんにはちと申し訳なかった感じです。しかししばらくするとやってきましたメイドさん3名。早速スペースに入っていただきますが壮観です。大感動です。


メイドさんのいる風景
(実際に撮影したのは昼過ぎに人通りが少なくなってから)

 写真だとわかりにくいですが紺・黒・グレーと三者三様のメイド服を着られています。早速簡単に仕事の流れなどをメイドさんに説明。このままスペースに留まってメイドさんと一緒に売り子していたい気持ちにも駆られましたが、狭いスペースに大人数でたむろしててもしょうがないので、当初の予定通りここは墨東公安委員会に任せて私は東123ホールの原辰徳新監督の様子を見に行きます。MaIDERiAとは逆に売り子が少ないのですが、「こっちはいいからお前は写真撮ってろ」とのこと。お言葉に甘えて一旦スペースに戻ってからコスプレ広場に向かうことに。そしたら丁度そのタイミングで『旦那様と呼んでくれ』の酒井シズエさんがサークルに来られました。酒井さんは手に大きな紙を持っていたのですが、「受け取って欲しい」と差し出されたその紙には紙いっぱいに「果たし状」の4文字が。


左:墨東公安委員会、右:酒井シズエ氏
(この写真はコミケ終了後に再現として撮影しています)

 そして中を開くと、


「売り子のメイドさんをかけて麻雀で勝負して下さい」

 こんな勝負を挑まれてしまいました。実際には売り子さんはそもそもMaIDERiA専属などではないんで、メイド屋さんとの次回の優先交渉権を賭けてといったところですが、勝負は勿論LittleMSNで行うとの話もあり(笑)、面白そうなので受けて立つことにしました。

 酒井さんが去った後、西4Fに向かいました。コスプレ広場は生憎の雨でしたが、それでも使用可能とのことで数える程ながらコスプレイヤーやカメラマンの方の姿が見えました。そしてその中に傘もささずにポーズを取っているメイドさんがいたので、早速私も撮影をお願い。


ガラガラなコスプレ広場にも注目

 撮影の後でいつものように名刺を渡して掲載許可のお願いをしようとしたら、何とこちらのメイドさん、以前MaIDERiAに八つ橋を差し入れしてくださった方でした。びっくりびっくり。少しお話しして別れたのですが、その後も雨降る中広場で頑張っていたのでまたびっくり。私は更衣室前の撮影可能スペースに移動しましたがそちらでの成果はフォトコレクション参照。

 適当に写真を撮ってそろそろスペースに戻ろうという時に、連絡通路でMaIDERiAに来てもらってるメイドさん2名と思しき人影とすれ違いました。「ああ、交代でコスプレ広場にでも行くのかな」とか考えながら良く見るとその後ろにメイドさんがもう2名。あれ? ウチに来てるのは3人だったはずだし、つうか今スペースどうなってるのさ? メイドさん達を追いかけようかとも思いましたが、もう離れてしまっていて人の流れもあったのでとりあえず急いでスペースに戻って状況確認をすることに。そしたらやっぱりスペースには墨東公安委員会一人きり。聞けばメイドさん達の知り合いの方が来られたとかで一緒に出かけてったとか。そんなわけでまたしばらくメイドさんのいない時間が続きます。この間に来られたお客さんには「何だよ、メイドさんいないじゃないか」と思われちゃったかもしれません。

 写真撮影に行ったんだとしたらコスプレ広場に行けば会えるかなと思い、また西へと向かいましたが、結局メイドさん達は見つけられず、また普通に写真撮影だけしてスペースに戻りました。そしたらメイドさんが一人戻ってきていました。墨東公安委員会に残りの二人について尋ねると、思いも寄らない返事が。
「拉致された」
 どういうことかと聞くと、酒井さんが本を委託している悠々アソブさんのスペース『Leprechun×1/2』で売り子をしているとのこと。メイド屋さんも悠々さんにイラスト提供してもらったりしているのでその縁でかなあとは思いましたが、とりあえず事実確認に悠々さんのスペースへ。すると確かにいましたメイドさん2名。


メイドさん拉致の証拠写真
(右奥に写っているのが黒幕の悠々アソブ氏)

 この際なのでメイドさんから本を買ってみたり。そして裏にいた酒井さんに果たし状叩きつけておいてこれは何事かと問い詰めます。何でも悠々さんがスケブ描いたりで手一杯なので人手余ってるなら・・・ということらしいです。元々列の端という好位置にメイドさん効果が加わってスペースは繁盛していました。酒井さんにはメイドさん売り子の件に関してネットで「これが土地持ちの貴族(自前スペース有り)としがない小作人(委託)の差かッ!」などと書かれましたが、私に言わせれば所詮こちらは猫の額程の田畑しか持たない零細農家、大地主(列端に配置されるような人気サークル)にはかなわないなあと。とりあえず写真を撮らせてもらうことと(上の写真です)、お客さんが一段落したらこちらに戻ってもらうことを約束してこの場は引き上げ。

 MaIDERiAにメイドさんが戻ってきたところで写真撮影(最初に掲載した写真です)。メイドさん達は更衣室の時間があるのでローテーションで着替えに行ったり会場を回ったり。なので15時以降にスペースに来られたお客さんにはメイドさんじゃない普通の女性売り子さんを見かけたという方もいるかと思います。コスプレ広場ももう終了しているので、私も売り子に入りつつメイドさんとトーク。コミケを楽しんでもらえたようで「冬もまた来たい」というようなことも言ってもらえたので嬉しい限りです。メイドさん効果で売り上げも上々どころか殆ど完売。残すはCG集1枚のみ・・・というところでコミケ終了のアナウンス。惜しかったなあと思っていたら通りすがりのお客さんが買ってくださって、めでたく全ての販売物が完売。精算してメイドさんにコスプレ登録料分のお金を渡して、後は後片付けして打ち上げ・・・というところだったのですが、片付けに手間取ったり酒井さんと一緒に果たし状の写真撮ったりしてたら時間を食ってしまって、メイドさん達を余計に待たしてしまったのがマイナスポイント。結局メイドさん達もめいめい予定があるそうで打ち上げには参加せずとのことだったので、それならさっさと解散しておけばと申し訳ないところです。その後酒井さん達ともはぐれてしまい、いつもと同じMaIDERiAと原辰徳新監督の面子だけでの打ち上げとなってしまったのが少ししまらなかったですが、それでもとても充実したコミケでした。メイド屋の皆さんが今回で懲りてなければ、また是非お願いしたいところです。

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