メイドさんを熱く語ろう!


その3
帝國メイド倶楽部 参
「来た、見た、撮った」

 五月三日、MaIDERiAの面々は一年の時を経て、帝国メイド倶楽部に戻ってきました。しかも今度は出展側として。私事ですが、筆者はこれで、行ったことのある即売会総てでサークル参加するという怪挙を成し遂げてしまいました(といっても五つだけですが)。
 浜松町駅集合の予定にいきなり遅刻する筆者。いや、夜を徹して再版するコピー本(オフセット印刷をやったことがない)を作っていたもので、つい。前の前のコスカでは、コピーするのに時間がかかり、駅から全速力で都産貿に走ったのも今となってはいい思い出です(渡辺さんいつもすみません)。
(いえいえ…今回もこの文字色で書かれた括弧内は渡辺の補足コメントです)

 会場と同時に巨大な列が出現したのには驚きましたが、最初の一時間が暴風のように過ぎると、会場も落ち着いて穏やかなイベントとなりました。今回は人手が少なく二名での参加でしたので、渡辺さんが撮影に飛び回る都合上、筆者はサークルの場所でマターリとしておりました。ちなみに今回の新刊・渡辺さんがMaIDERiA出版局としてはじめて手がけた『ぼくのメイドさん』研究本は、お蔭様で完売しました。どうもこのマンガを扱ったサークルは他にはなかったように見受けられました(あったらお詫びします)。うまく隙間を突いたと言えましょう。まあ、他の売り物もメイド・オタクネタ狂歌集だの大正・昭和初期服装本だの、隙間産業というか、隙間過ぎて市場も存在しないような気さえするブツですが、お買上いただいた皆様、ありがとうございました。
(まことにありがとうございます)

 今回のイベントでは、見にきていただいた方やお隣のサークルの方などと交流できたのが大変楽しい経験でした。お隣の
翔影館さんは英国のメイドさんとそれを取り巻く世界を研究なさっておられましたが、新刊を贈呈してくださりありがたい限り。近く総集編が出るそうで楽しみです。話の取っ掛かりに活用したのが、最近発見した『誰がズボンをはくべきか』という本でした。この本についての紹介はブックコレクションに書いておきましたが、こういう本に関心を持ってくださる方もいたというのは、大変嬉しいことでした。あとやっぱ、メイド趣味の人はミリオタとか鉄道マニア兼業が多いのか…カタログに「コスプレはメイド系限定」と書いてあったのに、やっぱりいるよ武装親衛隊(笑)

 ここで、昨年同様、渡辺さんのカメラの挙げた数々の成果について、至極個人的な感想を述べさせていただきます。渡辺さんのカメコ歴もこれで一周年ですね(笑)
(早いもので…にしても毎年帝國メイド倶楽部の度にカメコ何周年となるわけか(笑))
 
シンプルな装いですが、胸のリボンの演出する白と黒のバランスが絶妙だと思います。エプロンの大きさと相俟って、全体のバランスがいいですね。
(まだ人が少ない時間に壁や柱寄りでない位置で撮影したので、他の写真とちょっと雰囲気が違うかもしれません)
  小道具の与える力は大きいですね。メイドさんというよりウェイトレスというべきスカートの長さですが、黒のストッキングと靴がちょっとマニアック。
(この写真だとわかりづらいかもしれませんが首には首輪をされています。フォトコレクションでこの写真や他のポーズの写真を大きいサイズで見ることができます)


  レースの齎す豪奢な印象に圧倒されます。どちらかというと最近流行りと聞くゴシック・ロリータの影響が強いのでしょうか。
(とはいえ我々もゴシック・ロリータの定義みたいなものを正確に把握しているわけではないのですけど)
  
  この見事なレースには驚かされます。胸の十字架といい、これもやはりゴスロリ方面の影響でしょうか。でも白いストッキングというところはメイドさんのツボを押さえています。
(白いストッキングへのこだわりに関してはこのような文書に見ることができます)
  
  メイドコスプレの王道路線ですね。エプロンがよい感じです。それにしても渡辺さん、しゃがむスタイルが好きだなあ…
(開き直ってしゃがむスタイルの写真を並べてみました(笑)。それはさておき赤いリボンがメイド服と非常に良い組み合わせになっていると思います)


 
ふくらんだ袖と、長いスカート、裾から覗く白のペチコート。やはり基本が一番ですね(笑)。エプロンがもう少し大きいと個人的には嬉しいです。
(エプロンが小さいこともあって全体に黒の占める割合が多いので、シックな印象を受けるように思います。これはこれで良い感じかと)
  実に個性的な形のスカートですね。何か由緒があるのかもしれませんが、知識の偏った筆者はなんとなくナポレオン戦争の軍服を連想しました。
(この写真の方は当日スタッフをされていたのですが、胸元の花はスタッフの目印のようです。同じ花を身につけていたスタッフの方を何人か見かけたので)

 
渋い色合いのロングスカートが、重厚でありながらくどすぎない、いい雰囲気を醸しています。個人的には襟の感じもなかなかと思います。あとはエプロンがもう少し(以下省略)
(胸元のリボンも派手過ぎずスカートの色とマッチしているように思います。それにしてもさっきから随分とエプロンに拘ってますね(笑))
  生地のテクスチャにちょっと変わった印象を受けます。長いスカートと、ほどよいフリルとレースがいいですね。あとはスカートにもうちょっとヴォリュームがあれば。そして、せっかくの小道具ですから、次回は是非プラスチックじゃなくて籐の籠を…あ、こっちで持ち込めばいいのか(笑)
(「これ持ってください」って私が頼むんですか(笑)?…ちょっと恥ずかしそうだなあ)

 
左の方は先程お一人での写真がありましたので、向かって右の方について。裾と襟のレースの使い方が見事だと思います。そして、エプロンに模様が入っているのが贅沢な雰囲気ですね。
(右の方お一人の写真はコスチュームカフェ8号店で撮影させていただいてます。そちらはこの写真のメイド服とは違ってシンプルで正統派といった印象です)
  最後はなぜか『ココロ図書館』のこころんです。個人的に好きなマンガなので、コスプレしている人を見つけると嬉しくなります(笑)。アニメはシュビムワーゲンと比べて汽車と客車の作画が手抜きだったのが残念でした。それはともかく、別に筆者はキャラ萌ヲタクではなく、本が好きだから図書館が好きなだけです。信じてください。
(無理です(笑))

 今回の『帝国メイド倶楽部』で見かけたコスプレについての印象を総括しますと、さすが「メイド限定」だけあって、観るものに外れがなく嬉しい(笑)というのが第一です。コスカなどとの違いを考えてみると、数えたわけではないですが、アニメやゲームのキャラクターをもとにしたコスプレが少ない気がします。筆者がそっち方面に疎いため判定できなかっただけかもしれませんが、やはりひところのメイドキャラクターの大氾濫が終息した、ということが原因かと思われます。やはりバブルは弾けるもの。
 一方で勢力を伸ばしていると思われるのが、いわゆるゴシック・ロリータ系(ゴスロリ)の衣裳です。といっても、筆者はゴスロリの何たるかについては全く疎いのですが、何とタイミングのいいことか、帝国メイド倶楽部の翌日5/4付け日本経済新聞土曜版「はやり入門講座」に、「怖さとかわいらしさ同居」と題してゴスロリの記事が載っていました。そういえば、数年前の夏コミの日、日経新聞は3面に「最近の新商売」みたいな欄でコスプレ衣裳の店の紹介記事を載せ、あまつさえ有名美少女ゲームの制服を着た女の子の写真を堂々と掲載していましたが、やはりそっち系の受けを狙っているんでしょうか? なにせテレビ東京の大株主なわけで。
 閑話休題、その記事によれば、ゴスロリとはヴィジュアル系バンドのファンがコンサート会場で目立つために着ていたの発祥だそうです。で、段々言葉が一般化して、「白やピンクを多用する元祖ロリータや、黒を基調にしたパンクロックの流れを汲むの流れをくむブランドも、総称してゴスロリとして呼ぶこともある」とか。だとすれば、歴史的考証のコスプレ(英語の狭義の意はこれですが)や、アニメ・ゲームのキャラクターのコスプレでないメイドさんは、一切合切「ゴスロリ」で説明できるのかもしれません。また、ゴスロリを着る層も「三十−四十代の主婦」へも広がり、より日常的な場面でも着るようになって来た由。今やアパレル関係者曰く「ゴスロリは人目を気にせず、自分の満足のために着る服」なんだそうです。発祥のコンセプトとは矛盾しているような気がしますが、そもそもゴスロリ自体フリルやリボンの表象する可愛らしさと、黒が持つ魔的なイメージの両面性を兼ね備えるところがみそなんだそうで、そういう相反する性格をいろいろと抱合してゆけるところが流行の理由なのかもしれません。あと、イベントに行く時に家から着て行けるというメリットもあるのかな? この日の帰りにアニメイト渋谷店で、まさにそのような人を発見したので…

 さて、イベント終了後どこかに入ろうと歩くうち、田町の駅も通りすぎて気が付いたら品川まで歩いてしまったのですが、その途中怪しいものを見てしまいました(笑)

 品川駅前といえばアンナミラーズ高輪店がありますが、連休真っ只中だけあって大混雑。結局渋谷まで移動して絵師の猫一号氏と合流することにしましたが、その途中品川駅ビルで近澤レース店発見。ちょっと嬉しい。
(近澤レース店に関しては前回の帝國メイド倶楽部のレポートで触れているので、そちらを参照)

(墨東公安委員会さんからの寄稿です)


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